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仁の暴走具合とそれに合わせた鉄也の対応。それを見ていた、閻は
(何という、レベルの高い組み手だ。他の奴らにも見せたい所だ。にしても、こいつら、早いだけじゃない。仁に関しては本来の意識が無いにしろ戦闘のスキルがある。)
閻は仁が感情だけで動いていることが分かっていた。たまに、いるのだ。感情が制御仕切れず暴走する奴を閻は何人も見てきた。ただ、仁の様に洗礼された動きでなく、がむしゃらに物を進める奴らだ。
そろそろ、仁を元に戻さないと後々面倒な事になるので閻は動く。
「もういい!!終われ!!」
閻の声を聞いた鉄也は声を上げて言う。
「仁がこのまま暴走したまんまでかよ!!離すとまた、おそってっ、うお!!」
鉄也も仁の暴走に気付いていた。そんな中、集中力が欠けた。そのスキを見逃さなかった仁はオーラを出して体を強引に捻らせる。
そして仁は鉄也の捕縛から抜け出す。
仁の顔から笑みがこぼれる。自分がここまで出来ると傲り昂ぶる。
すると、今度は閻が仁の前に立つ。
「さて、終わりにするか。なぁ?仁?さて、これをどう対処する?」
と閻は昇華したオーラを仁の周りに出現させる。粉塵だ。仁はそれが何かは分からない。
ただ自分に害あるものだということは分かる。しかし分かった所でどうすることも出来ない。
閻は一言。
「散れ。」
ボンッ!と軽い爆発。それは、仁の喉で起きた。微量ながら仁は粉塵を吸ってしまったのだ。
酸素を奪われた一瞬のことで、仁のオーラは消え、その場に崩れる形で倒れた。
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