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1階に戻ってきた仁と鉄也は空腹を食べ物で満たすため、ここの施設にある食堂へと向かう。
その途中に先の出来事を覚えてない仁に鉄也は適当に説明する。
「嘘!?俺、解放何とかになったのかよ!?覚えてないけど!!」
にわかに信じられない仁。
そしてでかい声を出す仁にうざがる鉄也は
「うるせぇーな。声でけぇよ。つか解放モードだ。簡単な単語なんだからよ、覚えろ。それにお前が覚えてねぇから説明してやってんだろうが。」
鉄也は空腹でイラついていた。それに仁の目覚めたあの力は相当だった。まぁ、本人は覚えてないのだが。
聞くところによると仁は武術の類は今まで習ったことがなく、家でシャドーボクシングをやる程度だということを知る。
(解放モードでの戦闘とはいえ俺と同等の力でやりあったんだ。たかがシャドーで俺と戦えたことは本人さえ知らない隠れた身体能力があるということか。つか実戦経験がなくて拳をあれだけ急所に捉えるなんざおかしいだろ。)
鉄也は仁に確かめる。
「お前、今までに人を殴ったことはあんのか?」
なかった。人を殴る勇気なんぞ持っていない。
「いや、ないよ。さっき、鉄也が言ってたように、俺さ虐められたんだよ。今は嫌がらせを受ける程度だけど小、中は酷かったな。私物を隠されるなんて当たり前。」
仁は悲しそうに笑いながら言う。
鉄也はそんな顔をする仁に若干腹が立つ。さっきから腹が立ちっぱなしである。
「嫌がらせをする奴の中にリーダーがいるんだろ?そいつを潰しちまえよ。俺は、そうして、力を示してやったわ。」
仁は鉄也の言葉に引っ掛かった。
「鉄也も虐めを?」
仁が目を丸くしているのが可笑しく見えた哲也は笑いながら答える。
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