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食堂に着くと鉄也はすぐに注文する。結構、食堂の中の見た目は普通だった。
どことなくアットホームな感じがする。
「ばばあ、俺はカツ丼!」
と鉄也は食堂のおばちゃんにカツ丼を注文。
「あいよ!そっちの坊ちゃんは!!」
つかおばちゃん声でけぇよと仁は思う。
(なんか、絡みづらい。俺、こうゆうタイプも苦手かも。)
食堂の婆さんに若干、苦手意識を持った仁はサバの味噌煮定食を注文する。
(苦手といえば・・・鉄也って見た目と違って話せば良い奴だよな。)
最初は話かけるのも、掛けられる嫌だった仁だが今はそうでもなかった。むしろ話しやすい。今度は仁から話し掛けてみる。
「解放モードになった俺はどうだった?強かった?」
鉄也は素直に仁の強さを認めたくなかった。今まで自分に対抗出来る同年代は数少ない、ましてや、誰からも指導を受けず組み手で見せたあの動き。自分より接近戦のスキルがある。どう褒めていいか分からなかった。
「さっき、言ったろ。俺と互角にやり合ったんだ。つえぇよ。」
鉄也は仁が暴走していた時のことを思い出す。狂った笑みを浮かべ、相手を痛めつけることに快感を得て、戦いと言うより一方的な暴力に酔うあの姿。
(こいつが、あんな風になんのが不思議だ。どんだけ、今までの負の感情ためたんだよ。)
組み手での事を詳しく話そうか迷う。特に閻に言われていないが、一応、伏せる。
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