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角松は机の上に置いてあるパソコンの画面を仁の方に向けて見せる。   そして、そこに映っていたのは馬乗りになった鉄也とその下にいる仁だった。  この時は仁がまだ記憶や自我が保たれていた時だった。  仁は机に近づきパソコンの画面に目をやる。  「これは、俺が鉄也と組み手をしていた時ですよね。」  そうじゃ、と角松は言ってキーボードを弄る。 角松がパソコンを扱う姿に仁は違和感を覚える。 老人がパソコンを使いこなす絵がかなり新鮮に見える。まぁ、ただの偏見だ。  そんな、考えを仁がしているとパソコンの画面の2人が動きだす。  それを黙って見ている仁。  角松から見て仁の表情はまるで自分を素直に受け入れているように見えた。  角松は悪いと思いながら、読心を使い仁の心を読もうとするが、読めなかった。 それは、角松の能力のせいでなく、仁が何も考えていなかったからだ。
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