訓練

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今度はボディに拳を入れる。鉄也は真後ろへと飛び倒れる。今度は受け身が取れなかった。  (やべぇな。拳は軽いが早すぎる。しかもそれだけじゃねぇ、急所を確実についてくる。本当にボクシングをしてたのか?それともただ、ケンカ慣れしてんのか。)  だがどちらでもない。  元々仁の運動能力は普通だと判断されているがそれは総合的なものだ。ある物が低くある物が高い。因みに身体能力が高いのは背筋力、動体視力、柔軟性、敏捷性だ。その他は普通。そして、低くいのが、腹筋、握力、だ。学校やここで測定した時は背筋力、動体視力を図らなかったため、仁の身体能力は普通と判断されたのだ。 隠れた才能だ。そして何万回と繰り返してきたシャドーが鉄也を追い詰めた。  (ボクシングじゃ、勝てねぇな。だったら、俺も本気を出すか。)  鉄也は立ち上がるとボクシングでないフォームを取る。と言っても拳を開いただけだ。  閻はそれを見て鉄也が手加減をするのを止めたのがわかった。  鉄也は仁に手加減しないと言っていたが実の所は手加減をしていた。 しかし、もうその必要はないだろうと本気の構えをとる。 この構えは相手の力を利用し相手にダメージを与える合気道と、テコンドーの要素を取り入れた構で鉄也が考えたオリジナルのスタイルだ。 かつて通っていた養成所では能力面では誰も鉄也に適わないかった。また、能力を使わず組み手や体術の授業の時、鉄也のこの型は誰も打ち破ることが出来なかった。それほどこの構えは強いのだ。
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