第四章:絆

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「まぁアレや。どうしてもいうこと聞かへんかったら、ワイら皆で先生に言うたらえぇんや。でもティコ、まだ諦めんのは早いで」  ファルディの言葉に、ティコは「うん!」と頷いた。  そうだ。  自分らしく行くというのなら、負けず嫌いでなければ。諦めが悪くなければ。  それでこそ、メシア・ティコなのだ。  ティコは気合を入れなおした。  もっと心から接すれば、ルフェリアも振り向いてくれるかもしれない。  彼女は青い空を見上げながら、一言呟いた。 「ありがとう。……クルト。頑張るっきゃ、ないよね……!」  中庭を二人並んで歩いているクルトとアルニカ。  クルトはまだ、右手にカフェオレのパックを持ったままだった。  中庭に設置されているゴミ箱は、僅かに一つだけ。  教室に戻って捨てた方が早いというのに、彼はわざわざそこへ向かっているのだ。 「クルト」  アルニカが身を少し前へ乗り出し、下からクルトの顔を覗きこむようにして見た。  クルトは目線だけでアルニカの顔を見て、「何」と一言。 「いや……、やっぱりお前は、いい奴だな」 「……は? 意味が解らん」  アルニカの言葉にクルトはそう返し、眠たそうに欠伸をした。  本来なら授業中はずっと寝ているのだが、今日は説教の後ということもあってか、何度もメディスに起こされたため、全く眠れて居ないのである。  
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