第Ⅰ章†赤い髪の貴

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…いやいや、よくないよ。 俺さっぱり訳がわかんないよ。 「まぁ、とりあえずこの学校には―、……聞きた―い―?♪」 うざ。 「成、教えて?」 怒りを抑えてニッコリと微笑んでやる。すると成は急に俺から顔を背けだした。 なんなんだよ 失礼な… 「で?お―し―え―て―?」 こういうどうしょうも無いときは実力行使。俺は成の顔を両手ではさみ、無理矢理こっちをむかせた。 あれ。 コイツ熱あんの? でもそんなん気にしねぇ。 『言えよ』と耳元でぼやいてやる。 すると成は押し負かされたのか、 少しずつ白状しだした。 その言葉に俺は耳を疑う。 「…せ、"刹那"がこの学園に、いんだっ…」 「……………まじで?」 うそだろ。 うん、冗談だよな。 刹那がこの学校に居るわけない………訳じゃないけど、まっさかぁ☆ 「それがガチなんだな―」 ……こいつ、 人事だと思いやがって… あ、なんだか殺意がわきあがってきたや。 どーしよー。 どうやって解消しようかな―? ちらりと成に眼をやると… 「(…ゾクッ!!!)っあ、でも腕の試しどころじゃないか!?」 「え、何が?」 腕の試しどころと聞いて、そっちの方に気が惹かれてると成は怯えを交えた挑戦的な目付きで俺を見据えながら 「今日から変装して卒業するまで刹那の眼を欺きながら過ごすんだ。」 …ん―、なんつ―か。 「面倒くさい。」 俺は正論を言っただけだ☆ 「まぁ…考えてみなよ?元総長の威厳を潜在能力で示すんだ…」 「…けど、」 俺に威厳なんかあるわけないじゃんか… あの事件を引き起こしたのも俺で、 みんなを守れなかったのも俺で… 俺は強さを装った臆病者なんだから。 怖くなってあいつらから逃げたのだから。 「…もう許してもいいんじゃないか。」 「無理だよ。できない。」 あいつら、苦しかっただろうな。 「お前はもう十分に悩んで、傷ついた。自分にも気をつかえ。」 「無理、無理、俺が無理なんだよ」 痛かっんだろうなぁ… 「自分の幸せも見つけろって言ってんの―。俺はだてに変装ゲームをさせるためにこの学園を勧めた訳じゃない。」  
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