さくら

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 その足音は、今日はいつもよりもかなり早い時間に訪れた。    近づいてくるその足音をうれしく思いつつも、それを素直に認めたくなくて、毛布をかぶったままドアに背を向けた。  やがて足音が、部屋の前で止まる。  軽いノックの音、返事しなくたって、その足音の主は勝手に部屋に入ってくる。
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