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俺は引きつった表情で兄ちゃんを見つめてみたが兄ちゃんはまた無表情に戻って書類に目を通していた
「あり?」
「…もう慣れてるんだろ」
俺が首を傾げると要がそう言った
…なんか自分の兄ちゃんがそんな目で見られてるのっていい気分じゃないなぁ
「………」
「晴斗?」
隣で不思議そうな顔をする要に返事をせずに少しうつむいたときだった
「静かにしてください、できない場合は退学です」
と感情の一切こもっていない声が響いた
『……』
辺りは一気に静まりかえる
聞き覚えのあるその声に顔を上げると兄ちゃんと目があった
…やっぱりあの声は兄ちゃんだったんだ…
聞いたことのない冷たい声になんだか兄ちゃんが少し遠いところに行ってしまったようで少し寂しくなった
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