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<本編>
咲哉「なぁ~冬夜ぁ~?お前もそろそろさぁ~本気の恋をしてさぁ~彼女とかつくったら?ってか女の友達いねぇ~だろうなっ!!ここ男子校だしなっ!!」
ファーストフード店で暖かくそんで持って薄いコーヒーを手にして唐突にそんな事を言った咲哉に目を殺った。
冬夜「女遊びの激しい奴に何か言われたく無いよっ!!どうせ今の3人の彼女だって誰も本気じゃあ無いんだろ?(まず3人と付き合ってる時点で本気じゃ無いだろうけどっ…)」
冷たく言い放ち,また手元の本に集中しようとしたらヒョイッと咲哉に本を取られてしまった。
目を合わせたら少しの沈黙…これは言い過ぎたかとテーブルの上のハンバーガーをひとかじりして咲哉が何を言ってくるか待った。
咲哉「まぁねっ!!今まで本気で好きになった女何て居ないけどなっ俺はもう少しで高3になる良い年した冬夜に忠告してやってんだよ!!今の内に女を作って置かなくちゃぁ世に出て苦労するゼってな!!」
冬夜「忠告…ねぇ~,別に俺はこのままで良いんだけど?それに……」
ふわり甘い甘い香りがした。ファーストフード店の匂いの中、強くそれでも心地良い何処かで嗅いだ事ある香り…
咲哉「それに?」答えを待ち切れない、目の前の奴に今日始めての笑顔と一緒にこう言った。
冬夜「俺はお前の言う本気の恋…した事があるよ!」
あの香りの先にはきっと俺が恋い焦がれた人が居る。
きっと笑顔で居るだろう。
俺なんかに見せた事の無い最高の笑顔を…
咲哉「今、その子とはどうなんだ?」
冬夜「もう…2年前に亡くなっているんだよ…」
もう居ないんだよな。分かって居るから、俺はその甘い香りの先を追わないんだ。君がずっと笑って居て欲しいから…
俺が現れたらまた、君はその瞳から涙を零すんだろう?
俺は君が笑ってられて、幸せであれば良いんだよ。大好きだった君へ…
記憶の中の君へ………「完」………
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