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永井「さて、会合の前に、喜代、聞きたいことがある」
腰かける二人を見て、喜代に問いかけ
喜代「なんだ?」
面倒くさそうに頬杖つくと
和仁「ちょ、ちょっと待ってください!そもそも、喜代は何故国長に対して、こんな態度でそんな口調なんですか?!」
慌てて二人の会話を遮り、喜代に問いかけ
喜代「…今更?!ははは、わりぃ、オッサンは」
拍子抜けな顔で和仁を見ると、軽く笑っては謝り説明しだすと
永井「喜代、まぁ、待て、私から話をしよう」
軽い咳払いをし会話を遮れば、苦笑い気味な表情を浮かべ
永井「和仁君は、喜代とは義理の兄弟だと知っているのかな?」
短くため息を吐いて、問いかけ
和仁「えぇ、両親から聞いてはいます」
頷き応える和仁の横顔を見ると、喜代は視線を二人から逸らしては桜を眺め
永井「これは、国家機密な話なのだが…喜代は私の息子なのだよ」
喜代の行動に苦笑いしては、和仁を見て深刻な面持ちで話し始めた
和仁「…え?」
小さくこぼれた声を耳にするも、喜代は和仁を見ようとはせず、永井も耳にするも再び話し出した
永井「和仁君も知っての通り、私には息子と娘の二人がいると公開してはいる、が、喜代は、妻の子ではなくて、とある人との子で、産まれた時期が息子と同時期で、世間に公開出来ないいでいた所、国家薬剤師だった君の父上が幼い喜代を引き取ってくれてね」
話すうちにどんどん視線が落ちる永井に何を言うべきなのかと、和仁も視線を落とし
永井「薬剤師で腕が良いのがいると耳にして、逢ってみたら喜代で、それは驚いたものだ、喜代に明かすべきなのかと思っていたら、蓮根君が話していたそうで、顔を見るなり殴られた」
深刻に話すがどこか楽しげな永井に、首をかしげる和仁は喜代を見るが、喜代はそっぽ向いたままだった
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