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喜代の家は、高層の最上階で眺めの良い場所だったけど、予想外だったのは、蓮根家の喜代の部屋と違い…生活感の無い、ただ家具は最初からあったかのような、喜代が都心でたった独りで、どんな生活をしていたのか、一目で分かる。
和仁「………喜代」
そんな部屋に入るなり、喜代の服の端を掴んでは、俯き名前を呼んでしまった…
喜代「…///…どうした?」
驚き姿勢を崩さず、少し振り返り優しく問いかけ
和仁「…ごめん…」
喜代があの時あの言い方したのか、今なら分かる…
この部屋の空間や空気…喜代の我慢が詰まったこの部屋、連れて来たくない気持ちが痛いほど、分かる…
今にも泣きそうな表情で喜代に謝った
喜代「なに泣いてんだ??謝る事してないだろ??」
服を掴む手を握り、和仁の正面に立ち頭を撫でては、かがみ不安げに問いかける
和仁「違う、兄さんが言ってた事…ごめんなさい…」
ポタポタ涙を零しながら謝ると喜代は何も言わず、抱きしめ
喜代「良いって、気にすんな…泣くなって」
半ば困って苦笑い気味な喜代だが、抱きしめては背中をさすり
和仁「うん…」
滅多に泣かないせいか、なかなか泣きやめずにいると
喜代「ちょっとそこ座って待ってな」
何かを思いついたのか、頭を撫で立ち上がり、どこかに何かをしに行った
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