ペガサス姫と仲間①

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    「お母様はその夜 遅くに逝ってしまった…」       いつの間にか茜の時は終り、空は青紫に変化している。 辺りからはチリチリと鈴のような虫の音が聞こえ始めていた。        「お母様が私に残してくれた言葉。…沢山のものをみて、優しい人になりなさい…」   ラピスはちょっと空を見上げ深く息を吸い込んだ。   「でも私はアーシュリッドの、サラガス家の"姫"で この城で生きていくしかないのよ。ずっと考えてたけど…」       名残を惜しむ青紫の空に瞬きだした星を見つめるラピス。   ――綺麗な横顔―…   自然にラウドは そう感じていた。        「でもね、昨日気付いたの!!」   気の抜けたラウドは 急に振り向いたラピスの瞳をまともに見てしまった。   「分からないのは城の中しか知らないからだって!別に城から出ちゃえばイィのよね!だからねラウド…って、‥ラウド?なんで あさっての方向見てるの?」    ………。   「あ…ゃ 外って、町でしばらく暮らしてみるのか、うん。民の暮らしを知るのもいぃかもね!」   どぎまぎで少々 挙動不振のラウド。   しかし そんな様子を気にもとめずラピスはさらりと言ったのだった。  
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