ペガサス姫と仲間①

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    「お母様!!」     部屋に入ると ガネット王は大きなベッドの脇に膝をつき、 祈るように握り合わせた手を 眉間に押し当て泣いていた。   青い絨毯が敷き詰められた部屋   天蓋のレースの中 白い顔をしたリルダ王妃は横たわっている。   「お母様…ッ!」   駆け寄った母の呼吸はか細く 意識はない。 父の手が小さく震えている。   重く冷たいものが 足元からじわじわと這い上がる。       大好きな母が死へと向かっている…        その時 母の目がうっすらと開き、かすかに こちらを見ようとした。   力無いその手をガネットが握る。      
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