ペガサス姫と仲間①

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    「あなた…こんな風になってしまって、ごめんなさいね…」     ゆっくりと言い、僅かに微笑んでいる。     涙に濡れたガネットはリルダの瞳をみて笑み、様々な感情を押しのけて 愛してると告げた。   幸福の色を浮かべた母の瞳―-。   その瞳は次に…‥弟を見つめた。     「…ウル、芯の強い子…お父様を、助けてあげて…」     ウルは一歩後ろで 両手を握りしめ涙を堪えていたが、 勢いよく頷いた為に、一粒、二粒、頬をすべって床に落ちた。       やっと視線を動かす母。 その声は、もう半ば聞き取れない。 総ての力をつかって、 母は最期の――             最期の言葉を残そうとしていた    
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