売り専デビュー

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オレはゲイ。 外見は男だけど、恋愛もSEXも仕事も、対象は男。 昔、ある人に言われて、救われた言葉がある。 性癖なんて、人それぞれ違うもの。他人に迷惑かけてる訳では無いんだから、堂々としていれば? 男が女を好きになる。 女が男を好きになる。 男が男を好きになる。 女が女を好きになる。 人間が人間を好きになる。 [好き]は全部同じじゃん! 男が男を好きになって、何が悪いんだよ? 今日は、最近仲良くしてもらっている職場の先輩、ヒロシさんに、Aという売り専の店に連れて来てもらった。 売り専ていうのは、一見フツーの飲み屋なんだけど、店に入ると、カウンターの中に10人位のボーイさんが居て、気に入ったボーイさんを指名して、隣に呼んでもらい一緒に酒を飲んだり、外に連れ出す事も出来る。外に連れ出す時には飲み代プラス指名料が別途必要になる。一般的なゲイバーに比べて、飲み代が割高な為か、お客さんは30代以上がメインになる。 とりあえず席に座ると、マネージャー2人がうちらの前に座り、酒を作り、はじめましての挨拶をしてくれた。 オレはボーイのプロフィールアルバムを手渡され、パラパラと見てみると、1人気になったボーイがいた。名前はマサヒコ、24才。サーファーっぽくて、綺麗な顔立ち。 ヒロシさん、この人かっこいいですね。 あんたの目の前に居んじゃん! えっ?なんか写真と違うから、気付かなかった…。 マサヒコは、 え~? ひどいっすね~ と笑っていた。 初対面の人にいきなり告白したみたいで、オレは恥ずかしかったのと、マサヒコの笑顔にやられてしまった事で、頭が真っ白になってしまった。 所詮マサヒコはノンケ。好きになっても報われない。頭では理解していても、心は勝手に好きになっていた。たぶん、一目惚れってヤツかな。
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