プロローグ

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おや、こんなところにお客様とは珍しいこともあるものだ。 ここに来たという事はあなたも……。 いや、お気になさらずに。こちらの話でございます。 さぁさこちらへ、今暖かい紅茶を入れて参りますので。 え? 自分が何故こんな寂れた喫茶店にいるのか? はっはっは、これは申し訳ない。なにぶんお客様など八十年ぶりなものですから気持ちが高揚してしまいまして。 さて、何からお話を致しましょうかな……。 正直私もよく分からないのですよ。昔はここにもよく人が訪れましたが……さっきもお話したようにここ八十年はパッタリと……ね。 おや? あの扉の向こうが気になりますか? はっはっは止めておく方がいいでしょう。これは脅しでも何でもありませんがね、恐らく帰って来れないでしょう。
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