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秋葉原のとあるネットカフェで、この店の店長が殺害された。
その現場に向かったのは、陣内と山寺の2人で朝倉に連絡した。
「…どうやら、台東区でも男性の銃殺死体が見つかったとか…
陣内さん、何か分かりますか?」
「さっぱりだな。だいたい…このネットカフェは、24時間営業でスタッフもいたはずだし…
個室に泊まっていた客もいた。
だが、誰も銃声どころか物音すら聴いてないときてるからなぁ…
こいつは単純な事件じゃねぇ…」
「鑑識さんを待つしかないですね…っと、すいません、電話です」
山寺は陣内から少し離れて電話に出て向こうで話をしている。
それを見た陣内は被害者の遺体に近づき、胸のプレートを見た。
「…中谷公明…ネットカフェ店長…この若さで店長だったのに…
運がねぇというか何というか…」
その時、視界に中谷の左手人さし指と親指に黒い筋が見えたから、
その場に屈んでよく見てみた。
「これは何だ…?」
「――陣内警部」
「……ん?どした、山寺?」
「横浜で殺しだそうです」
「横浜だと?まさか、倉庫の中でヤクザが死んでた…とか?」
陣内は、冗談半分で言ったつもりだったが…山寺は目を伏せた。
「――え?💧当たり?」
「……いえ、暴力団の人間…ではないんですが…警察関係です」
「ガイシャは?」
「それが…」
その名前を聞いた陣内は、驚愕の表情を浮かべて耳を疑った。
―――――――――――――――
横浜埠頭にそびえ立つ古い倉庫…『四番』の倉庫に伊達はいた。
「被害者は杉山重泰…警視庁組織対策四課の刑事だった男…か」
長友や中谷と同じように、杉山も拳銃で胸を撃たれて殺された。
3人とも同じく胸を撃たれて…
「3件とも凶器は拳銃で撃たれた場所も胸という点で共通…
拳銃の出どころが分かればな…」
「失礼します」
「あんたは…?」
「組織対策五課の小田切です」
いかにも真面目そうな顔をしてる好青年を頭から爪先まで見て…
伊達は差し出された手を握った。
「…伊達一狼だ。あんたの名前は何回か聞いたことがあるぜ?」
「そうですか…光栄です」
「杉山重泰の噂も…な」
それを聞いた小田切賢介は一瞬、肩をピクッと震わせて反応した。
「そう…ですか」
しかし、すぐに笑顔で返した。
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