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あれから数年。
秀吉は毛利との決戦を前に、
「非力な猿めには毛利の大軍に勝てません…。
どうか殿、ご出馬お願いします」
と言い、毛利との決戦を口実に信長を安土城から引き出した。
そして中国にむかう途中、京都に寄ると計算しながら準備を進めていたのである。
光秀も中国にむかう前に軍の準備をしていた最中であり、軍勢を集めることは不自然ではなかった。
本能寺へ入ったことも、出馬前の祝賀であろう、と門番たちも不思議に思わなかった。
さて、秀吉の元へ報告が入った。
――明智の反逆により、信長様が討たれました――
(いよいよか……)
重くなている気持ちを切り替え、すぐさま軽快な行動をしなければいけなくなった。
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