死にゆく余日

大返し

羽柴秀吉と明智光秀。
もしこの二人の名将が違う形で契りを結んでいたならば、歴史は面白くなったはずだ。

無尽蔵な創造力で斬新なアイデアを生みだし、敵を翻弄し味方を魅了する羽柴秀吉。

古きことに通じ、文化の守護者的な学識のあった明智光秀。

二人は方向性こそ違えども、天才に変わりはない。
能力主義者の最たる信長に、譜代でもないのに重用された二人である。

天才二人が唯一、共同で作り上げた舞台が本能寺となった。
また、このようにも言える。
――天才二人ゆえになすことができた革新が、本能寺の変ならびに天王山の戦いだった――

光秀は、信長の安土城を支配することで権力を奪ったことを天下にしらしめた。