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なるほど、七郎兵衛の意見は正しかった。
一カ所から登る堀尾隊は、集中攻撃を受けていた。
応戦はおろか、山を登りながらでは防戦すらままならず、攻撃を受けた足軽は山から落下していき、後方の兵を巻きぞいにしていた。
松田・並河隊が堀尾隊と激戦している最中、秀政は別の道から松田隊の横腹へとむかった。
堀尾隊を追い込んでいた松田・並河隊は多方面に注意をむけずに、一点に攻撃を絞っていた。
そこに、
「掘隊の奇襲だ!」
という叫びがあがった。
その叫びは瞬時に、悲鳴へと変わった。
いや、聞き苦しい断末魔である。
秀政の攻撃により、松田・並河両隊は混乱していた。
敵が狼狽したとみるや、堀尾は直ぐに隊を立て直すと、激を飛ばし、反撃へと繋げる。
そして、戦火は拡大し両軍を包んでいった。
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