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光秀の目前で、次々と武士が斃ていく。
逃げる者、追うもの、立ち向かう者、立ち尽くす者……。
人間の様々な行動が、光秀の目前で渦を巻いている。
気が付けば、光秀自身も槍を繰り出し、幾人かの敵を突っ伏せた。
殺す意思があったわけではないが、身体が自ずと閃光を煌めかせていた。
（既に死んだ身……）
であるにも関わらず、無意識に生命を保持していた。
「敵将、御牧討ち取ったり――！」
その叫びが光秀のすぐ近くで放たれた。
「御牧……！」
名を叫んだとこで光秀は歯を食いしばり、言葉を切った。
(まさか、御牧が？ いや、虚報に違いない)
先刻の悲痛に満ちた表情の御牧が、光秀に脳裏にはまだ鮮明に姿を留めていた。
光秀は、御牧を救出せねば、と先ほどの声があがったほうへと、馬首をむけた！
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