序章:ありふれた日常

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しかし、二年からの進路に合わせてのクラス替えで 俺は文系クラスにはいった。他のクラスメートは総合やら理系やらに行ってバラバラに なってしまった。 又巡ってきた春、新しいクラスなって始まった生活。 順当に新しい友達も出来て親友と呼べる人も出来た。 そして、5月22日、今日は校外学習で近場にある国立歴史館に見学するそうだ。なので朝っぱら五時起きで電車に乗って向かっているわけだ。 あと十分もすれば着くだろう。 「楽しみだなぁ。」 無意識にそう呟いていた。 ここで俺の自己紹介を しようと思う。 俺の名前は神坂準、 X高校2年E組で、 人からはよく変わっていると言われるけど自分では 自覚がない。 てかぶっちゃけ変わってないと思う。 俺が入った文系クラスは別名歴史学コースと言われていて簡単に言うと歴史バカが 集まるクラスだ。 それぞれは、日常から自分の持論を証明するために 努力している。 俺もその一人だ。 それぞれは平均4、5個の 持論をもっていて、日夜 その証明のために努力している。 俺は戦国時代の謎、 ソロモンの謎、 日本と中東の古代の交流を調べている。 今回の校外学習は、 そんな歴史学コースの生徒 の見識を深める為という 名目で今年から始まった 課外授業だ。 俺は実を言えば歴史が嫌いだった。 争いは人類の宿命なのだと言われているようで 胸くそ悪い気分になったからだ。 今はその争いを止められる力を付けようと歴史学を 専攻しているが、 いずれは争いを根絶するのが俺の夢だ。 なんでここまで争いを毛嫌いするのかは追々語るとして、今はこの課外学習を たのしみにしていたのには大きな人と違う理由があった。それは、卑弥呼が 魏から貰ったとされる 鏡と石盤が目的地の近くで発見されたからだ。 俺はこのために来たといっても過言ではなかった。
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