102人が本棚に入れています
本棚に追加
言っていて恥ずかしくなった
のか、忍足の頬が心なしか赤
くなっていた。
“この顔、跡部に見せてやり
てー”
きっと跡部が見たらさぞかし
喜ぶだろう、などと考えなが
ら向日は更に忍足の話を聞く
。
「色々って?」
「上手く話せへんかったり」
「ふんふん」
「一緒におるとどうも恥ずか
しくて逃げてもうたり…」
「…………」
“侑士って、ホント…”
向日は率直に思った感想を言
う。
「乙女…っつーか乙男ですね
ぇ~侑士は!かーわい☆」
すると忍足は更に恥ずかしく
なったのか、完全に顔を赤ら
めて反論する。
「ちょっ…うっさいで岳人!
乙男とか言わんといて!」
「だってそうじゃんー」
「真剣に聞いてぇや」
「聞いてるって」
「……なあ岳人、俺…どうし
たらええと思う?」
「どうって…」
「このままやったら俺、跡部
に勘違いされそうな気するね
ん。俺が跡部んこと嫌っとる、
って…」
「侑士…」
────ガラッ
その時、教室の扉が開かれた
。
最初のコメントを投稿しよう!