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「悪い、遅くなったな」
「「あ、跡部!!!」」
そこには噂の張本人─氷帝学
園のキングであり、忍足を目
下溺愛中の跡部景吾が立って
いた。
独占欲の強い跡部は忍足が向
日と二人きりで教室に居た事
に不満を覚えたのか、眉を寄
せる。
「…アーン?なんで向日まで
居てやがんだ?帰れお前。」
「ちょ、跡部ひっでぇ!…言
われなくてもわかってるって
の。帰ります帰りますー。」
向日は座っていた席から立ち
上がる。そして、思い出した
ような顔で、言った。
「あ、…侑士」
「?」
「さっきの話だけどさ、侑士
がやれるだけ努力してみりゃ
いんじゃねーかな」
「俺が…出来るだけ」
「そ。まあ、どちみち侑士が
怖がってるような事には一生
ならないと思うけどなー」
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