甘い甘い、逃走劇。

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   “……あ、”  ここで忍足はひらめいた。  「ここでテスト勉強しよかな  …跡…じゃなかった、景吾も  一緒にせえへん?」  顔を赤くしながら言う忍足に  かなり喜んだのか、跡部は楽  しそうに笑う。  「あぁ、当然だ」  そして二人は、向かい合わせ  に机を引っ付けてテスト勉強  を始めた。  “勉強しながら、それなりに  イイ雰囲気になったら言えば  ええねん!”  計画が上手くいくか、忍足は  かなり不安だったが、とりあ  えずテスト勉強に集中するこ  とにした。  30分後。  「んー……」  「どうした?侑士」  「いや、ここなんやけどな…  何でこうなるんやろ。景吾分  かる?」  「フン、俺様にわからねぇ問  題は無いぜ?ここは───」  忍足の分からない所を丁寧に  説明する跡部。改めて忍足は  そんな跡部を好きだと思った  。  「──…てなワケだな。分か  ったか?」  「おん!めっさ分かりやすか  ったわ…おおきに。…なぁ、  景吾」  今だ、と忍足は思った。  
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