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「?何だ?」
“よし、まずは目を見て…”
忍足は跡部の顔をじっと見つ
める。跡部も、忍足の顔をじ
っと見つめる。
「俺な、………………」
「……?」
「俺………」
「………?」
「………………」
話しかけて、目を見るまでは
出来た。だが、言いたい言葉
はなかなか出てこない。跡部
は不思議そうに忍足を見てい
る。
きっと今この光景を第三者が
見たら変に思うに違いない。
無言で見つめあっている忍足
と跡部の様子は異様なもので
しかなかった。
“あぁもうあかん…!無理…
…ってあかんやん!これじゃ
いつもと変わらへん…っ”
忍足が心の中で葛藤している
と、跡部が手を伸ばした。伸
ばした手を忍足の頬に添える
。
「景吾…?」
そうして、これでもかと言う
程の美しい顔で優しく微笑ん
だ。
「…どうした?」
「────っ!!!」
一気に自分の体温が上がって
いくのを忍足は感じた。
“こんなの、反則や…!”
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