2/2

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
ある日だった。 胸騒ぎが烈しくなったので私は、彼の部屋で帰りを待っていた。 もう日付も変わり、諦めかけた時、ドアの開く音と男女の話声が聞こえてきた。私は、咄嗟にベッドの下の隙間に隠れた。 「もう我慢できないよ。」 沈黙・・・。 そして、私のいるベッドの上に移動して・・・コトが始まってしまった。頭上で激しく軋みながら。 私は、声も出ず身動きも取れないまま、終わるのをじっと待った。 明け方近くになり、私は、そっとベッドの下から出て、ベッドに裸で抱き合い、彼に腕枕されながらぐっすりと寝ている二人に気付かれないように部屋を後にした。 どうしても彼に真意を確かめることが出来ず、彼の部屋で時間を潰すようになった。 「あれは幻。事実だとしても浮気。きっとつまみ食いよね。」 自分にそう言い聞かせながら。 でも相変わらず、彼は、たまにあの時の女を部屋に入れていた。 「きっと彼は騙されてるんだわ。ああいう女は彼が好きなタイプじゃない。」 私は彼を信じることにした。だって愛してるから・・・。 ある日、1ヶ月の長期出張に彼が行くことになった。 毎日、彼の部屋の掃除をしてあげた。部屋の隅々まで。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加