涙は涸れることを知らない

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奈津美はどうにか家にたどり着き、家族に顔を合わせたくなくて、そのまま自室へ戻った。 部屋に戻り、電気をつけずにベッドに身体を投げ出した。 暗闇の中、貴史からもらったクリスタルのリングホルダーが目に入り、ようやく止まった涙をまた誘った。 誕生日プレゼントに大好きなバラを彫刻してもらった、リングホルダー。 部屋には貴史からの贈り物がたくさんあって、あとからあとから涙がこぼれた。 涙に溺れて、涙に溶けて、この悲しい気持ちがどこかに流れていってくれたらいいのに……。 奈津美は切にそう願った。
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