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やけに隣の部屋が静かだ。そろそろ戻ってきてもいいはずである。
「綾香~大丈夫?」
「…」
返事が無ぃ。
奈緒が立ち上がり隣の部屋に行った。私も一緒に奈緒の後ろについていった。
遥と綾香は静かにカメラを見ている。
「2人とも大丈夫?」
奈緒の声を聞くと2人がカメラを隠した。明らかに変である。
「なんでカメラ隠すの?私にも見せてよ。」
「奈緒は見ない方がいい……」
奈緒が青ざめている。手が震えていた。
「…見せて…ょ……大丈夫だから…」
私は奈緒の肩に手をかけた。
「2人が見ない方がいいって言ってるんだからやめときなょ…」
「見ない方が…怖い…見して。見せて!!」
奈緒は遥の手からカメラを奪った。
「いた…」
遥の手の甲に奈緒の爪で血が出た。
「キャーー!!」
奈緒はカメラを見るなり、悲鳴をあげてカメラを投げた。
奈緒は、なんで私だけとつぶやいた。
私はカメラを拾い写真を見る。
その写真は奈緒と私と綾香を撮った写真である。真ん中の奈緒に首から上が無い。そして後ろに黒いシミの様なモノが写っていた。他の写真を見たが、奈緒の首から上が無いのはこの一枚だけである。しかし他の写真にも黒いシミが移っている。カメラの故障だろう。奈緒の件以外は…
「遥写真消そうとしたんだけど…消去できないの………。」
「…修理に出してデータ消してもらおう。」
「ダメだょ供養しなくちゃ…」
「遥写真撮った時は変な事なかったの?」
「見て無かった…」
遥は静かに言った。奈緒は震えていた。綾香と私は呆然と立ち尽くすしかなかった。
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