第一章

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魔法を禁じた現在ではその名を口にする者はいないが、【血の大戦】にはもう一つの呼び名が存在する 【魔法大破壊】 (ルーンオーバードライブ) トゥーリが総力戦を挑んだ最後の戦いは、互いの魔法使い達による魔法合戦だと言ってもいいだろう 灼き尽くす炎 切り裂く風 裂ける大地 たった一日の戦が 一つの都市を大陸から消した これが何千もの死者を生んだ結末だとして、一体誰が勝者と言えるだろう 唯一の救いは トゥーリが死に、チティリスが生きたということ チティリスは王国の再建に残りの人生を費やした この悲しみを、この悲劇を繰り返さぬよう 再び秩序を、もう一度平和をその手で創り上げる為に ―そして三十年後 チティリスの献身的な努力と政策が実を結び、人口も増え食も豊かになった 彼が理想としたのは、王都を別とした主要六都市の自治制だった 今までは全ての権限は国王が掌握し、故に細部まで目が行き届かず野放しにしてある問題が数多く存在した それを防ぐ為の自治制である 主要六都市に議長を置き権限を与え、複数の議員をもって独裁を防ぐ 民の声を聞き会議を設け、皆がいかに良い暮らしを出来るかを話し合う それが可能なら王の権限など要らないとチティリスは思っていた
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