序章

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【ロレアスタ大陸】 それは一人の男の名が由来する アーディン=ロレアスタ 無秩序に繰り返される略奪や戦に狂った地に、《平和》と《法》をもたらした男 比類無きな剣技と智略により蛮族をまとめた建国王 三百年経った今でもその名を大地に、そして人々の記憶に刻んだ英雄である 齢四十にして一大陸の王に君臨したアーディンは二人の子宝に恵まれた 第一子、ドゥヴァリア王子と、 その妹トゥーリ王女である 王の愛、民の祝福により、健やかで穏やかに成長していく二人であったが、ある日を境に状況が一変する ドゥヴァリアが十八、トゥーリが十五歳の年 次期国王の継承権が正式に発表された年である 王になる資格に性別を定めた法は無かったが、アーディンは長男であるドゥヴァリアを撰んだ 王とは力の象徴であり、男である必要があったのだろう 民も次の国王としてドゥヴァリア王子を讃えた しかし、それを快く思わない者も存在した 妹であるトゥーリ王女と、それを崇拝する者達である
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