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(…突破なら女を盾に逃げられるか?いや、そんな甘い連中じゃないか…)
【プリヴィエート】の評判は、良くも悪くも“非情”である
人質など意にも介さないだろう
「ふん、まぁいい…
おい、確保するぞ!
抵抗するようなら……殺れ」
隊長らしき人物の命令が飛ぶ
後ろに控えていた二人は左右に分かれ、挟むように標的との距離を詰める
(……仕方ない)
男は選択した
そして魔法を唱えるべく集中力を高める
「くそ!
《戦女の瞳》射抜くは――」
「――え?」
男は思わず集中を解く
自分の横に立っていた中年の男が、魔法の核となる《スペルワード》を口にしたからだ
「――孤高の《月》!」
魔法が完成し、中年男の真上に一抱え程の“火球”が出現する
――パン!
乾いた炸裂音が鼓膜を叩く
(………馬鹿野郎)
頭に穴を開け、血を吹き出し倒れる中年男
(……正直すぎるだろ)
男は血溜まりに倒れる魔法使いに哀れんだ目を向け、そして炸裂音のした方へ視線を移す
――“銃”
魔法使いを“狩る”為だけに造られた黒鉄の凶器
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