第一章

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トゥーリは心が踊った 好奇心のせいじゃない これが“切札”となると直感したからだ それ以来、トゥーリは『友達に会いに行く』と言って、定期的にその村に足を運んでは“魔法”の知識を学んでいた ―そして数年後 彼女の“直感”は確かな結果として現れる事となる それは反乱から八年が経ち、反乱勢力の大半が鎮圧された頃――――――――― ――反乱の首謀者であり妹のトゥーリを大陸最北の地まで追い詰め、勝利を確信したドゥヴァリアに信じられない知らせが入ってきた 討伐に向かった千二百の兵 ――全滅 耳を疑った トゥーリが持つ兵力はもう二百と無い筈…いくら地の利があろうと覆る差では無いのだ しかし、どれ程待っても送り込んだ兵が凱旋する事は無かった ―そして僅か三年 優劣の天秤は簡単に傾きを変えたのだった 『見たこともない能力』 『不可思議な現象』 “魔法”を目の当たりにした者は一様に恐怖し 人知の及ばない現象は兵士達に絶望を植え付け士気を奪った その結果 討たれる兵士もさることながら、寝返る兵士もまた数多く 完全に形勢は逆転したのだ
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