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この世界には、三種類のヒトの形をした生き物が住んでいる。
一つは、『人間』。
もう一つは、『魔族』。
そして最後の一つが
───『神族』。
神族……それは常にその住む世界共々空に居り、すべからくこの世界を見守り、導いていく存在。
地上に住む人間達にとっては、恐れ、敬い、祈り、願うものでありながらも、だがしかし姿の見えない…現さない彼らは、只の虚像でしかない曖昧なものだった。
ただ、古来より地上に僅かに残る伝承からその存在を知り、それが細々ながらも脈々と受け継がれているだけに過ぎない。
それでも、その姿を信じている者達の手によって──建物であったり像であったり聖典であったりと様々な様相を成すが──信仰と言う形で地上のあちこちに散らばっていた。
そして、国や地域は違えど神族に関して共通する謂われが
『神族は光と闇に分かたれる』
『この世界は彼らによって、地上に害を為す魔の者から守られている』
という事だった。
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