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もしかしたら、翔は知っているのかもしれない。血液型で分かったのかも。
ママはAB型、パパはO型でB型の私とAB型の翔はイトコだって事を。
翔の両親が離婚して、叔父がフランスに帰った時、10才年下の産まれたばかりの翔に出会った。
その日から、私が翔を守ると決めていたの。ずっと一緒だよって。
ラテンの血が流れる情熱的な翔には、姉弟でも関係無いのかもしれない。自分が傷つきたくなかっただけなのよね。
いつか告げなきゃいけない日がくるんだもの。
私は覚悟を決めて、部屋をノックした。
「翔、私よ。洋子です。」すぐにドアは開いて、私達は何度もキスをした。そして、キスをされたまま強い力で抱き締められた。
逃げないように?
それとも、一つに重なる為に?
私は身体の力を抜いて、翔に身を預けた。
私の上に翔の身体が重なり、その重みに私達の二十年間の意味を感じた。
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