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「そろそろ……お別れなの」
「………」
始めに会った時から薄々感じていた。ここが夢の世界ならいつかは終わってしまうことを……
「香華ね、最後にお兄ちゃんとお話しできて嬉しかった!!」
「あぁ、俺もだよ。それに父さんとお母さんも」
「優希、元気でな。父さんみたいな男になるんだぞ!!」
「絶対嫌だ!!」
「うふふ。優ちゃんはお父さんにそっくりね」
「「どこがだよ!!あっ………」」
久しぶりに家族みんなで笑った。心の底から笑えた
「さて……。本当にこれでお別れだ。優希、いつでも俺たち家族は一緒だからな。そのこと忘れるんじゃないぞ?」
「あぁ……分かってるよ」
「優ちゃん、元気でね?体には気をつけるのよ?体調管理もしっかりするのよ?」
「分かってるって。そんなに心配すんなよ。俺だってもうすぐ中3だぜ?自分のことぐらい出来るよ」
「お兄ちゃん、最後のお願い聞いてくれる?」
「なんだ、さっきも同じこと言ってたぜ?」
「むぅ~……。お兄ちゃんのいじわる……」
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