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次に目を開けるとそこは家のリビングだった。
「はぁ…………」
どれくらい眠っていたんだろう。辺りは真っ暗になっていた
「やっぱり……夢だったんだよな………」
俺は夜風を浴びたくなって庭に出た。季節は秋が始まったばかり、汗をかいて火照った体を冷ますにはちょうどよかった
おそらく深夜だからだろうか、外は一つも明かりがついていなかった。そのせいか星が綺麗に見えた
「……ほんと、不思議な夢を見たもんだな」
父さんたちに触れたときの感触、暖かさが今でもはっきりと感じられた。
それに口にもまだ香華の柔らかいそれの感触が残っていた
「あいつ………やってくれたよ。俺、初めてだったのによ」
夢だったけど、夢じゃなかった……。そんな気がした
でもそう思うと嬉しかった。ちゃんとお別れ出来て本当によかった。約束も出来たしな……
「約束、か………。……俺、頑張ってみるよ。父さん、母さん、香華……そこから見ててくれよ」
俺は真っ黒な空の星たちにそう誓った
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