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声の聞こえる方には凪桜の木があった。そしてその下には失ってしまった家族がいた……
俺は走った。早くみんなの声が聞きたかった。そしてなにより、もう一度会いたかった……
「香華!!父さん!!母さん!!」
俺はみんなに抱きついた。そこには家族のぬくもりが感じられた
いつも近くにあったものがこんなに暖かかったなんて今まで気づかなかった………
気がつくと俺は自分の思っていることを叫んでいた
「まだ話したいことだってたくさんあったし、お土産だって買ってきたんだよ?……なのに………なのになんで死んじゃったんだよ!!」
父さん達の顔が今にも泣きそうになっているのが見えた。自分でも酷いこと言っているのは分かっていた
死んでしまったのは父さん達のせいじゃないことも分かっている。……でも止まらなかった
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