生まれた日から遡り

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初めての朝を見た時には彼女は少し目を狭めた、赤や橙に見える大きな眩しい物が見つめているのだから   「眩しいわ…、何故こちらを見るのかしら?」   すると、棚の上からネズミのような金切り声で   「…太陽が起きたからよ」   と、彼女を覗き込む小さなパペットがにこやかに答えていたのだ   「貴女は?」   「あんた初めましてね?あたしはマメって言うのよ。豆粒みたいにちっちゃいから皆からマメって言われるの」   マメはよく喋る忙しい人形で挙動がちまちまと、まるでネズミのようだった
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