君選

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「右と左、どっちがいい?」 右手にはハートのピアス 左手には雷おこし もしも君が右手を選ぶなら その時は僕の想いも共に 渡そうと決めていたのです 叶いそうで叶わない 届きかけてはすりぬける この距離に決着をつけようと すると君はいかにも意地悪そうに、悪戯を思い付いた子供のように微笑んだのです 「嫌」 「え」 「どっちもいらない」 予想外の台詞をはいた後 君は笑顔で唖然とする僕に 両手を差し出しました 「正直に言ったんだからどっちもくれるよね?」 ああ お手上げ 君の勝ち その笑顔に免じてここは譲ってあげましょう でも最後は きっと必ず 僕が勝ってみせますから
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