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──これだけで人は恋に落ちるのか
僕は思わず息を吐き出しました。
講義の終わった静まり返ったホール
暮れていく陽が君を、その横顔を浮き立たせ
とても綺麗で
───君が使っていたのが僕の画材だったことに、きっと僕は一生感謝するでしょう。
本気で確信したのです。
「あの、」
「あ───!」
振り向き驚く君
「あたしの筆!あなただったのね?」
どうやら言い間違えてしまったようで
僕が君の画材を持ち帰ったことに、僕は一生感謝するでしょう
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