快適な家

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顔は知らないけど、千奈がたまに僕に話してくれる彼氏だ。千奈と栄は中学まで友達で、高校が違うからって千奈が告白したんだ。二人はめでたく恋人になって、それから千奈は毎日幸せそうな顔をしている。 やれやれ本当に正反対な姉妹だ。 僕は立ち聞きをやめて階段を降り、リビングのソファに丸くなった。 お母さんはせっせと、愛奈の制服にアイロンをかけている。お父さんは僕の隣で野球を見ている。 そんなことくらい愛奈にやらせなよ。僕は薄目を開けてお母さんをチラリと見たけど、どうせ言葉も通じないし、また目を閉じた。
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