再会

9/66
前へ
/163ページ
次へ
しかしそれも後から松浦本人の口からカミングアウトされたことによると、食が細そうなので今井の皿にあまった寿司をもらえると思ったらしい。 それを聞いたのは歓迎会の翌日で、心躍らせて朝一で松浦に挨拶をした今井は一気に熱がさめるのを味わった。 寿司のお礼を朝から言われるとは思っていなかったのだから当たり前だ。 今となっては笑い話だが、その後も営業について回れば回るほど幻滅することばかりだった。 顔が好みなだけに今井にとっては最初こそ悔しく感じたが、その後は松浦を男としてよりも中性動物として見れるようになり、社内恋愛をするよりもマシだと自分に言い聞かせるようになった。
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!

550人が本棚に入れています
本棚に追加