桜の木…

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「ここって……」 「な? 絶好の花見ポイントだろ?」 「絶好って、学校の桜じゃないですか」 「いいだろ別に。人居ないし、綺麗だし」 まぁ確かに。 私は、目の前の桜の木を見ていると、あることを思い出しました。 「……桜の木」 「え?」 「勿体ないことしたな、と今は反省してます」 「ああ、あの伝説の桜の木か」 昔、伝説の桜の木禁止!  などとわけのわからない理由で桜の木を破壊してしまって…… 「こんなことになるのなら、残しておけばよかったです」 「まぁ別にいいんじゃない? 過ぎた事だし」 「過ぎた事ですけど、やっぱり勿体ないって思うじゃないですか」 「ん~確かにそう言われると勿体ないな」 と、ここで名案が浮かびました! 「いっそのこと、ここ全てを桜の木だけにしてしまいましょうか」 「それはそれで見たいみたいな」 「だったら、早速……」 私はポケットから携帯を取出し、黒服に…… 「ああでも、そんなにあったら掃除するの面倒だろ」 「じゃあ掃除専用の人を雇いましょう」 「それに、桜の木には虫が…」 「虫っ!?」 私は「虫」と言う単語に過剰反応してしまいました。 ……だって、虫嫌いなんですもん。 「だ、大丈夫か綾香?」 「へ、平気です。じゃあ、ここ一帯に農薬を蒔きましょう! とびきり強いやつを!」 「おいおい、農薬は人間にも悪影響を」 「もう、祐司さんはさっきから私の言う事に反対する。なぜですか!」 「確かに桜の木が沢山在った方が綺麗だけど、でも俺はこれはこれでいいと思うんだ」 私は、辺りを見回す。 「桜の木一本の、伝説の桜の木の切り株がいいんですか?」 「ああ」 「変な祐司さんですね」 「……でもそう言われると、それでもいいかな、なんて思ってきちゃいます」
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