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「なぁ」
祐司さんが私の手を繋ぎながら聞いてきます。
「本当に、あんなんで許してくれるのか?」
私は、満足した顔でもちろん!っと答えました。
「でもあれってさ、普通俺が言うものじゃないの?」
「いいじゃないですか。普通なんて」
「いいっちゃいいけど、男としての立場が……」
「祐司さん、立場とか気にしてたんですか」
「そりゃ気にするだろ」
「へぇ~、知りませんでした」
「……もういい」
…
あの時、私が言った言葉……
「白凰院綾香、もとい山田ヨネが命ずる」
「祐司はこの伝説の桜の木に誓って……」
「私と、結婚すること!」
私がこう言った途端、祐司さんはポカーンとして、しばらく無言のままでした。
そして祐司さんは小さな声で……
「は……はい」
と顔を赤くしながら誓ってくれました。
「あの時の祐司さんの顔、一生忘れないと思います」
「忘れろ。いや、忘れてくださいお願いします」
「ふふ~、これだけは無理ですね~」
私はニヤニヤした顔をあえて祐司さんに見せる。
「くそ、気に食わねぇ!」
本当に悔しそうな顔をする祐司さん。
ちょっとやりすぎた……?
そう反省した私がバカでした。
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