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「お前を本気で倒しに行く理由が見つかった」
「あっちゃぁ、余計な事しちゃったかな?あたし」
アリスはおどけてみせたが、本心は寧ろ望む所、といった感じだろう。
気分の高揚に任せてシャドーを交えながら、メンデルブルク議事堂をぐるりと一周した所で、道を折り返す。
もしも最強と伝説のぶつかり合いが確かにあったものなら、明日は奇しくも、それぞれを追う者同士の対決という事になる。
自分を過大に評価する訳じゃないが、伝説を請け負う側として、あんちゃんの名を汚すような戦いは出来ない。
……ヒナが聞いたら卒倒しそうな発奮理由だな。
冷静に自分を客観視してみて思わず苦笑しながら、俺はアリスと、メンデルブルクの街並みを、行きよりも速いペースで駆け抜けた。
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