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「ちょ、タロット、おま、ふざけんな!試合前の大事な身体だぞ!」
見事に極められた左の肩を回しながら、非難の声を上げる。
が、その茶髪の中量級闘士は全く悪びれずに、悪戯をさせた自身の右手をひらひらと振った。
「いやー、ちょっと緊張を解してやろうかと思ってさ」
「でっけぇお世話だ!」
自分が試合の時は俺以上にナーバスになるくせに……いや、だからこそ、か?
まぁ冗談で済ませられる強さをわきまえているからまだいいが、もし俺が驚いて変な捻り方をしたらどうしてくれたんだ……と、嘆息したくもなる。
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