片翼の行方

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 俺は立ち上がりついでに床に手をつけて前屈し、柔軟を終えた。  こういう時に限って、アレンさんはいない。  俺のアップをタロットに任せて、今日行われている軽量級の、別の試合を覗きに行っている為だ。  まぁいたとしても、この状況で俺の味方をしてくれていたかは甚だ疑問だが…… 「あ……」  一つだけ溜め息をつき、廊下への扉へと向かう俺を見て、タロットが小さく声を上げる。
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