片翼の行方

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「ケイ、怒ったのか?」 「トイレだ、トイレ!」  見当違いな心配をするタロットに行き先を告げ、控え室を出る。  石畳の無骨な廊下を歩き出すと同時に、俺はまた一つ溜め息をついた。  どんだけ人をガキだと思ってやがるんだ、全く……  多少せっかちな足音を立てながら、時折擦れ違う人を避けて、コロシアムの入口付近にある目的地を目指す。  その時だ。  思いも掛けない、だが、願ってもない人物が、向こうからこちらに飛び込んできたのは。
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